直木賞作家・乃南アサのベストセラー小説『しゃぼん玉』が映画化され、3/4から公開される。

監督はTV「相棒」シリーズで演出を手掛けてきた東伸児、初の劇場作品監督を務める。

主演はNHK朝の連続ドラマ「べっぴんさん」にも出演中の昨今の活躍が目覚ましい林遣都。
親の愛を知らずに育ち、通り魔や強盗傷害を繰り返す無軌道な若者・伊豆見翔人(林)は、強盗の際に人を刺してしまい逃亡。その途中、宮崎県にある椎葉村で老婆・スマ(市原悦子)を助けたことをきっかけに、彼女の家に居座るように。
初めは金を盗んで逃げるつもりだったが、温かい村の人々・自然・豊かな食材を使った食事・祭りや山での仕事などを通じて、伊豆見のすさんだ心が少しづつほぐれていく。
そして10年ぶりに村に帰ってきた美知(藤井美菜)との出会いから、自分が犯した罪を自覚し始め「今まで諦めていた人生をやり直したい」 と決意を秘めた伊豆見は、どこへ向かうのか。

この映画では日々のささやかな日常が綴られる中、伊豆見という普通とは違う生き方をしてきた人間の変化を通して、私たちが毎日当たり前過ぎて、見過ごしてしまっている大切な‟何か“に気付けるヒントがたくさん散りばめられている。

映画「しゃぼん玉」予告編 - YouTube

出典:YouTube

今回iLIPでは主演の林遣都にインタビューを実施。
様々な役や作品に出演している林だが、「こういう作品、役をやりたかった」と語る本作。
役作りや作品への向き合い方の話を聞いていると、林はもちろん、スタッフ全員が作品を愛し、心を込めて真摯に丁寧に作られた映画である事がよく分かるエピソードを色々教えてくれた。
林の話を通して見えてくる映画の奥深い魅力を、今回はお届けしていきたい。
ページ一番最後には読者へのサイン入りチェキもあるので是非お見逃しなく!

インタビューに応えてくれた林遣都

-本作の出演が決まった時、どのようなお気持ちでしたか?
観ている方を惹き付ける物語、日本の素晴らしい景色、今回演じたような伊豆見…。
それまで携わりたいと思っていた要素が多々あり、とても嬉しかったです。
特に今回演じた伊豆見は当たり前の経験をすることなくずっと生きてきて、心の奥に闇や伝えられない切ない想いを抱えている若者。最初に台本を読ませて頂いた時、ぜひ挑戦してみたいと思ったんです。

伊豆見の変化は、ゆっくりと繊細に見せる事を大切にしたかった。

-伊豆見という役は、とにかく犯罪を繰り返してしまう人物。それが村で色々な人に触れる事で変わっていきますね。そんな伊豆見を見せる上で、どのような事を意識されたんですか?
まず、市原悦子さんとご一緒させて頂くとなった時、余計な事は一切排除して臨もうと思いました。
それと、この役は一瞬でも嘘があったらダメだなと思ったんです。

親がいなかったり、人と関わりが無い生き方をしてきた人間をイメージや上辺だけでやってはいけないなと。だから始めは犯罪心理の本を読んだり、実際の通り魔事件を調べてみたりもしました。

そして伊豆見という人間について、監督ともたくさん話しました。
そこで思った事は”どこかで大きく変わる“といったものを決めたくなかったという事。
市原さんとやらせて頂く中で、繊細に、ゆっくりゆっくりと変わっていく…という事を大切にしたいなと思ったんです。
-序盤の伊豆見は目の奥が暗く、食べ方・態度…すべてがとても粗暴で、どういう生い立ちをしてきたのか、想像できるような人間像が良く見えていました。
実は監督に相談をしてご飯を食べるシーンで、伊豆見の箸の持ち方を提案してみたんです。
箸を使ってはいますが、マナーも何もない、品のない人間だと思っていたので、ほんとゴミを漁るようにご飯を食べたいなと思って。
そうしたらそれを見て、監督がシーンを増やしてくださって、市原さんから箸の持ち方を注意されるシーンも追加されたんです。
監督が僕のアイディアを受け止めてくださって、さらに伊豆見がどういう育ち方をしてきたか、より分かりやすく見せるシーンを作って下さったのはすごく嬉しかったです。

でもその後、監督と「どこでその癖を直そうか」という話になったんです。
でも、僕は直さなくて良いと思っていました。
伊豆見って礼儀や挨拶なんかを注意されても「知らねえよ」って思っちゃう人間だと思っていたんです。

でも美知(藤井美菜)という女性を前にして、初めて心が動いてここで初めて箸の持ち方を”恥ずかしい”と感じるようになるんです。初めての感情が生まれてるんだろうな、と思いながらやっていました。

後はコミュニケーションが苦手、という事で声のトーンが人とずれている感じとか、人との距離感とか、人間慣れしていない感じを出せればと思っていました。

伊豆見という人間だからこそ言えた、「しゃぼん玉はさぁ…」のセリフ。

実は小説にもある「しゃぼん玉はさぁ…、」ではじまるセリフ、小説だから良いと言葉だと思ったので口にだしてセリフでは初めは‟言えないかも“と感じていました。
でも伊豆見は、言葉が多い訳ではなく、心を開かず、そもそも心を持っていない人間。
だからこれについても、監督とたくさんお話をさせて頂いたのですが「普通の人が言わないような事を言ってみたら、何か見つかるんじゃないか」と思うようになったんです。
この言葉に違和感を持ったのは僕自身の感覚であって、伊豆見と向き合ううちに、彼が見ている景色も僕と違う感じ方をするのかも、と思うようになって。
ずっと1人で、人が見ない世界を見てきて、何を思って生きているのかな…ということを想像しながらやっていくと、このセリフもしっくりきた感じがしたんです。

ある日、カメラマンさんに「伊豆見は何を考えてるか分からないね」と言われた事があったんです。
僕はそれで良いと思っていました。
現場のみなさんが全員作品を本当に愛していて、伊豆見について色々とアイディアもくださったんですが、伊豆見が観ている世界は人とは違う軸。だからここに関しては「何を考えているか分からない」で良いと思ったんです。

ゆっくり、繊細に変わっていった伊豆見が見せた、温かさ。林が好きなシーンとは。

-劇中でお好きな場面を教えてください。
スマが夜に裁縫をしている時、伊豆見がやってきて自分から針に糸を通す場面です。
台本を読んだ時から一番好きなところで、初めてスマと近づいた瞬間だなと思いましたし、繊細に繊細に、心が揺れて、変わっていく瞬間だと思いました。
だからとても大事にしたかった場面ですし、大切にやらせて頂きました。

市原のスマが出す‟生きるエネルギー“、”どんな事があっても生きていける希望“、”感受性豊かに生きる事“林がこの作品から得たものは。

-作品で心に響いたポイントを教えてください。
まず、市原さんに感動しっぱなしでした。
一人で農作業をして、毎日ご飯を作って。ゆっくりとした足取りですが、生きるエネルギーを感じました。また市原さんのスマや村の皆さんに囲まれている時、色々な感情が生まれ、優しく温かい気持ちになれたんです。その感覚が、そのまま役に繋がればと思っていました。

また、この作品からは何が起こっても、どんなに辛い事があっても、生きていれば、出会いがあれば、いくらでもやり直せるという希望を感じました。
そして血がつながっていなくても家族のようになれるし、家族以上の出会いもあるかもしれない。

伊豆見が変わる事ができたのは、感情や経験が何もない中で、周りの人や温もり、景色、素晴らしい食べ物と出会い、それを素直に受け入れて、どんどん吸収できたから。
僕も演じながら感受性豊かに色々なものを感じて、生きていく事の大切さを学んだ気がします。
-最後にこの記事を読まれている方に一言お願いします。

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