インタビュー終了後、「『メサイア』の取材は本当疲れます」と、充実感いっぱいの笑顔を浮かべて、杉江大志は言った。それだけ本気の想いがあるのだろう。確かに、話せば話すほど杉江の熱が上がっていくような、そんなインタビューだった。

高殿円の原作をもとに、国家最高機密のスパイ組織・サクラ候補生たちの戦いと友情を壮烈に描き続けてきた舞台『メサイア』シリーズ。前作『メサイア ー悠久乃刻ー』では、有賀涼(井澤勇貴)&加々美いつき(杉江大志)のふたりの卒業を過去最大級のスケールで描き切り、終演後、脱殻同然の観客が続出。深いカタルシスをもたらした。

あの衝撃から7ヶ月、いよいよ最新作『メサイア ー月詠乃刻ー』がヴェールを脱ぐ。しかも本作は、前作でサクラ育成機関・チャーチを卒業した加々美いつきが再び帰ってくるというのだから、俄然注目も高まる。いったいどんな展開が彼らを待ち受けているのか。加々美いつき役の杉江大志が、『メサイア』愛をたっぷりと語り尽くす。

『メサイア』は苦しみ抜いて、やっとスタートラインに立てる

――前作のことから少し聞かせてください。ハングドマン(村田充)との決着のシーン、本当に素晴らしかったです。あのクライマックスを演じるまでのプロセスをぜひ伺えたら。
本当の意味で相手を信頼するというのはどういうことなのか。そのことを考え続けた稽古期間でした。ふたりが真のメサイアになるためには、乗り越えなければいけないものがあって。僕が演じた加々美で言えば、ずっと彼は心の底から有賀と向き合うことができていなかったと思うんですね。むしろ有賀の方が加々美に心を開く準備をしていた。加々美が本当の意味で有賀を信じることができたのは、有賀に銃を向けたとき。「もう俺はお前を傷つけない」という答えを出した有賀に対し、今度は加々美が「お前を傷つけてでも取り戻す」と表明する。いろんな壁を乗り越えて、やっと有賀のことを本気で信じられるようになったからこそ、彼に銃を向けられたんだと思います。
――確かに、ずっと有賀自身は加々美にベクトルを向けていたように見えました。
でも、有賀もまた本当の意味で加々美を信頼できていたわけではなかったと思います。有賀が壁を乗り越えられたのは、ハングドマンを撃ったとき。有賀ひとりでは、ハングドマンのことは撃てなかった。加々美とふたりだから撃つことができた。記憶を取り戻した有賀にとって、あれが最後の試練。あの試練をふたりで乗り越えることで、やっと有賀と加々美は本当のメサイアになれたんだと思います。
――演じる側には相当苛酷なシーンばかりです。
特に有賀に銃を向けるシーンは、すごく時間をかけて考えました。ちゃんと銃を向けることについてリアルに受け止めないと、ただの薄っぺらい話になってしまう。あのときは、僕自身にとっての大切な存在――それは親なんですけど、母親に銃を向けたら、どんな顔をするだろうとか、なるべく身近な何かに置き換えながら、加々美の気持ちを想像していました。
もうね、リアルに想像すればするほど苦しすぎてやりたくなくなるんですよ。でも、この『メサイア』という作品自体が、苦しみに立ち向かう男たちの物語。演じる僕たちが小手先で苦しんだふりをしても、お客さんにはすぐ伝わってしまう。苦しんで苦しんで苦しんで、苦しみ抜いてようやくスタートライン。その苦しみを全部受け止めて初めて有賀と向き合えるんじゃないかという想いで、稽古に集中していました。
――それだけの作品です。演じ終えたときは、相当ロスも激しかったのでは?
ロスというよりは、ほっとした気持ちが一番大きかったですね。あのときは有賀と加々美の関係が、勇貴と僕の関係とまったく同じになっていて。もう『メサイア』という作品の中で勇貴と一緒になることはしばらくないだろうけど、遠く離れていても自分の中に勇貴という人間は常にいる。だから、何も寂しくないという気持ちでした。
――SNSで杉江さんが井澤さんの写真をアップすると、こっちまで何だか嬉しくなります(笑)。
僕も勇貴の顔を見ると、ほっとします(笑)。

自分自身も作品と一緒に成長していきたい

――そういう経緯も見ていたからこそ、再び加々美が戻ってくることには驚きました。
僕自身も、もう加々美いつきとして見せるものがないっていうくらいやり切った気持ちがあったから、お話をいただいたときはすごく悩みました。でも、『メサイア』にとっても卒業生を描くというのは新しい挑戦。それを僕でやりたいと言ってくれるのは、とても嬉しいことだなって。それに加々美いつきとして見せるものは全部見せたと思っているからこそ、ここから自分に何ができるのか楽しみでもあった。自分自身もまた作品と一緒に成長できたらという気持ちで、チャレンジすることを決めました。
――『メサイア』は自分自身の成長記録、とおっしゃっていましたね。
演出の西森(英行)さんや脚本の毛利(亘宏)さんの力だと思うんですけど、その都度今の自分のマックスじゃ少し届かない課題を与えてもらっている気がして。公演の中で何とかそれをクリアして、そこで得たものを他の現場で活かして、またちょっと大きくなって『メサイア』に帰ってきたら、さらに難しいものを与えられて苦しんでっていう、その繰り返しなんですよね。

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